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知って得する「食と薬のはなし」


ケンコージョイ情報管理室からお届けする連載エッセイです。
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第46回 薬と食品・こぼれ話(2)・・・高マグネシウム血症で死亡

[2009/2/2]

2008年11月28日付けの朝日新聞に次のような記事が載りました。
「便秘薬 酸化マグネシウム 長期服用で2人死亡」と題して、便秘や胃炎の治療などに使われる医療用医薬品「酸化マグネシウム」を飲んだ高齢者らが、意識を失うなど高マグネシウム血症を起こし、2人が死亡したことがわかった。厚生労働省は、薬の添付文書に「重大な副作用」として記すよう販売企業に指示、長期投与する場合は経過をよく見るよう医師に注意を促す文書を出した、というものでした。

今回の報道や厚労省の処置は、「医療用医薬品酸化マグネシウム」に限定したものでしたが、実は、私たちの身の回りにも「落とし穴」があります。

「高マグネシウム血症」という言葉を初めて目にした方も多いと思いまが、最近ではミネラルサプリメントが人気ですから、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどのミネラルについての情報には接したことがあるのではないでしょうか?

このところ、「足りない症候群」とでもいうべき現象が蔓延しています。
「○○○は、生命体にとって重要な成分。残念ながら加齢とともに急激に減少するので、老齢期の不調の原因になる」は売り手側の決まり文句ですが、果たして本当にそうでしょうか?
コエンザイムCoQ10、α−リポ酸、核酸・・はてはミネラルなどなど、ブームが来ては去っていきました。効果があったでしょうか? 持続されているでしょうか?
自然の摂理に従って生き、生を終えることを受け入れるならば、老齢であっても「足りない不安」に惑わされることはあまり意味がないと思います。生命体はさまざまなしくみを利用して、ちゃんと足りない分を補って生命を維持するようにできています。食事に気を配り、病気の場合は治療を受けるのが基本でしょう。

さて、マグネシウム(Mg)。報道では「酸化マグネシウム」となっていましたが、「高マグネシウム血症」を起こすのは、酸化マグネシウムばかりではありません。また医療用ばかりではなく、OTC薬(市販薬)の便秘薬や胃腸薬に使われている水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、にがりの主成分である硫酸マグネシウムなどミネラルMgを含むものはどれも体内に入れば血液中のマグネシウム濃度に影響します。
しかし、血液中のマグネシウム濃度は、健康体では摂取量にかかわらず一定に保たれるよう体が調節していて、「高マグネシウム血症」になることはありません。

今回の事例は高齢者でしたが、高齢者は一般に腎臓などの臓器の機能が低下しています。現代は高齢者でなくても糖尿病性腎障害の人も多いと思われるので、とくにミネラル系サプリメントの摂取には注意が必要です。
OTC薬では多くの胃腸薬(制酸剤として)や便秘薬の一部に含まれていますが、添付文書には「腎臓病の人」は薬剤師に相談するように書いてあります。健康な人でも医薬品やサプリメントを多量にとれば危険です。 数年前にブームだったにがりを多量に飲んで死亡した例がありました。成分の重複には気をつけましょう。

(ケンコージョイ情報管理室)


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